日本の伊藤忠商事[8001:JP]と英国の石油・ガス大手シェル[SHEL:US]は、ブラジルの鉄鋼大手CSN[CSNA3:BZ]と、伊藤忠商事とシェルが共同開発するブラジルのカサ・デ・ペドラ鉱山における脱炭素技術の導入を検討する覚書を締結したと、7月29日付の日経アジアが報じた。シェルが製造する植物由来のバイオ燃料を採掘トラックなどの重機に給油したり、重機を電動化したりすることが、この共同事業に含まれる。ブラジル企業はまた、炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術を鉄鋼鉱山に適用することも検討しており、シェルと伊藤忠商事が保有するクレジットを利用した炭素クレジット・システムを構築する計画もある。MoUの署名者は、年内に脱炭素化のための具体的な計画を策定する予定である。
カサ・デ・ペドラ鉱山は、水力発電を中心とした再生可能エネルギーによる電力100%で稼働している。さらにCSN社は、製鉄工場とセメント工場に太陽光発電やその他のエネルギーを導入し、将来的には具体的な投資目標と二酸化炭素削減目標を策定する意向だ。これは、脱炭素化への取り組みを拡大するシェルのさらなる努力の表れである。シェルは6月29日、エクソンモービル[XOM:US]および中国第3位の石油生産会社である中国海洋石油総公司(CNOOC)[0883:HK]と、中国における世界規模のCCUSプロジェクト設立の実現可能性を検討するMoUに調印した。シェルは、2050年までにエネルギー事業のネット・ゼロ・エミッションを実現するため、東南アジアでの1,500万トンを含め、2035年までに少なくとも2,500万トンの炭素貯蔵能力を目指している。
情報源
https://www.upstreamonline.com/energy-transition/shell-eyes-asia-offshore-ccs-hub/2-1-1234165