7月27日付の『フィナンシャル・タイムズ』紙が報じたところによると、ブラジルは、官民双方から総額数千億ドル規模の大規模な投資を伴う野心的なグリーン転換計画の発表に向けて準備を進めている。今後数カ月以内に発表されるこの計画は、炭素取引やバイオエコノミーからインフラ適応まで、6つの政策分野にまたがる約100のイニシアチブを包含する。同計画の財政的な実行可能性を確保するため、政府は民間セクターとの提携を計画しており、民間セクターは同パッケージの資金のかなりの部分を拠出することになる。

この移行計画は、2023年1月に就任したブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領の環境政策を反映している。ルーラは、ブラジルをグリーン経済に転換し、アマゾンの森林破壊と闘うことに尽力してきた。2023年の最初の6ヵ月間、アマゾンの熱帯雨林の破壊は、前年同期比で33%以上減少した。移行計画は、規制された炭素市場の設立、グリーン技術への投資、ブラジルの豊かな生物多様性に基づく産業の振興など、いくつかの重要な戦略に重点を置く。例えば、世界銀行は、アマゾンの熱帯雨林の価値が年間3,170億ドルに達すると見積もっている。アマゾンの熱帯雨林は、ブラジルが炭素クレジットを輸出して利益を得ることを可能にする炭素貯蔵プロジェクトの基盤として機能するからだ。さらに、ブラジルは豊富な水力発電資源を活用し、再生可能水素などのグリーン・テクノロジーのハブになることを目指している。

情報源

https://www.ft.com/content/373079cb-63fe-45ad-a0cd-40ee8c4ca948

https://unclimatesummit.org/brazil-set-to-unveil-its-boldest-and-most-ambitious-green-transition-package/

https://www.economist.com/the-americas/2023/06/13/lulas-ambitious-plans-to-save-the-amazon-clash-with-reality