中国第2の産炭地であり、最大の自然エネルギー生産地である内モンゴル自治区は、2021年から2025年にかけて1000億人民元（158億3000万米ドル）以上の水素産業を構築する5カ年計画（FYP）を発表した。同計画は、2025年までに年間160万トンの水素供給能力を目指すもので、従来の年間50万トンの目標から3倍に拡大する。同計画の下、同地域は2025年までに5,000台の燃料電池自動車を普及させ、2020年時点で3カ所しかなかった水素ステーションを大幅に増やし、60カ所の水素小売ステーションを建設する。

内モンゴルは中国の石炭産出量の約25%を生産しており、石炭化学や非鉄製錬などの排出集約型産業を発展させるために安価な火力発電に依存してきた。FYPはこの地域を、水素とクリーンな電力を他の省に運ぶ再生可能エネルギーのハブに変える可能性がある。昨年8月、内モンゴルは2.2ギガワット（GW）の太陽光・風力発電容量を持つ再生可能エネルギー・プロジェクトを承認し、そのうちの80%以上は、2023年から年間66,900トンの水素製造に使用される。しかし、ブルームバーグの分析によると、このような大規模な水素製造には、少なくとも0.465GWの電解槽が必要であり、これは2020年の世界の電解槽生産量の2倍以上である。この点に関して、中国の宝武鋼鉄集団[600019:CH]は、再生可能エネルギーによる電解槽を150万kW製造する計画を発表したが、この計画の正確な時期は明らかにされていない。

情報源

https://chuneng.bjx.com.cn/news/20220301/1207104.shtml

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-08-18/china-approves-renewable-mega-project-focused-on-green-hydrogen

https://www.argusmedia.com/en/news/2246287-chinas-inner-mongolia-targets-green-hydrogen-expansion