ロイター通信は2月24日、欧州委員会がサイバーセキュリティ上の懸念から、中国資本の動画共有プラットフォームTikTokを職員の公用端末および業務関連アプリをインストールした個人端末で使用することを禁止したと報じた。欧州委員会が職員にアプリの使用を禁止したのは今回が初めて。欧州委員会の広報担当者ソニア・ゴスポディノワ氏によると、この措置はサイバーセキュリティの脅威やサイバー攻撃に悪用される恐れのある行為から欧州委員会を守ることが目的だという。TikTokはこれに対し、今回の使用禁止は誤った判断であり、根本的な誤解に基づいていると述べ、EU内の1億2500万人のユーザーのデータセキュリティ向上に取り組んでいるとしている。

世界で最も急成長しているソーシャルメディアプラットフォームであるTikTokは、北京がプラットフォームにユーザーデータの引き渡しを強制したり、ユーザーが視聴する動画に影響を与えたりする可能性があるという懸念から、米国と欧州の議員から精査されている。2022年12月、米国議会は、12を超える州が同様の禁止措置を施行した後、下院議員に支給されるデバイスでTikTokを禁止する法案を可決した。ジョージア工科大学の報告書では、TikTokはFacebookなどの同業他社よりも監視や影響力操作のリスクが高くないと示されているが、規制当局は中国に拠点を置く親会社であるByteDanceとの関係を理由に、同プラットフォームに注目し続けている。12月、ByteDanceは、一部のスタッフが米国でTikTokユーザーデータにアクセスする権限を悪用し、ユーザーの信頼を構築するための同社の取り組みに対する国民の信頼を損なっていたことを発見した。

情報源

https://www.reuters.com/technology/eu-commission-staff-told-remove-tiktok-phones-eu-industry-chief-says-2023-02-23/

https://www.nytimes.com/2023/02/23/business/european-union-tik-tok.html

https://www.theguardian.com/technology/2022/dec/30/us-tiktok-ban-government-devices-china

https://www.scmp.com/news/china/article/3206193/tiktok-doesnt-pose-security-threat-us-new-academic-study-says?module=inline&pgtype=article

https://www.scmp.com/news/world/united-states-canada/article/3204318/chinas-bytedance-finds-staff-inappropriately-gained-access-tiktok-user-data-us?module=inline&pgtype=article