ブルームバーグが15日付で報じたところによると、デンマークは2030年までに50億デンマーク・クローネ（7億3500万米ドル）を農業部門のグリーン転換やその他の環境対策に充てる予定で、その資金の一部は燃料税の引き上げによる収入から捻出される。デンマーク政府は、農業分野でのメタン削減飼料、植物性食品の促進、森林再生、清潔な飲料水、グリーン地域暖房など、さまざまなグリーン・イニシアチブに補助金を提供する。補助金の財源を捻出するため、政府は2025年からディーゼル燃料税を1リットル当たり0.5クローネ（1ガロン当たり0.27米ドル）引き上げる。燃料税の引き上げにより、2025年には0.3百万トンの二酸化炭素排出量の削減が見込まれている。

温室効果ガス（GHG）の排出源としてデンマークで2番目に大きい農業を、欧州の排出量取引制度（ETS）に組み入れるというデンマークの計画は、より環境に優しい農業を目指すこうした取り組みによって実現する可能性がある。政府は、ブリュッセルがエネルギーと道路輸送からの排出を抑制するために厳しい規制を導入していることを考慮し、農業が2040年までにヨーロッパ最大の排出源のひとつになると予想している。そのため、デンマークはこの部門の脱炭素化のための解決策を積極的に模索している。同国はすでに2021年に拘束力のある目標を設定しており、2030年までに農業・林業部門からの温室効果ガス排出量を1990年比で55%～65%削減することを目標としている。さらに政府は、農業生産に炭素税を課すことを検討しており、その価格はCO2排出量1トン当たり750デンマーク・クローネ（109米ドル）である。

情報源

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-04-15/denmark-raises-diesel-fuel-tax-to-fund-green-transition-spending

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-02-21/denmark-told-to-put-carbon-tax-on-farmers-to-reach-climate-goal

https://stateofgreen.com/en/news/denmark-sets-binding-2030-climate-target-for-agriculture/

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-03-25/denmark-pushes-to-include-farming-in-europe-s-carbon-market