欧州連合(EU)は、冷蔵庫やエアコンに使用される超強力な温室効果ガスの使用を削減することを目的とした法律の交渉準備を進めているが、これらのガスをどの程度のスピードで段階的に削減すべきかについて、各国や議員の間で意見が分かれている、と5日付のロイター通信が報じた。フッ素系ガス(Fガス)として知られるこれらのガスは、二酸化炭素よりもはるかに高い地球温暖化係数を持つ合成ガスであり、その排出量は数百年から数千年にわたって大気中に残留する可能性がある。そのため、気候への影響は二酸化炭素よりもはるかに大きい。Fガスは、有害な紫外線から地球を守るオゾン層の破壊にも関与している。また、大気汚染の原因となり、人間の健康にも悪影響を及ぼす。
EU諸国は、2024年から2028年までにFガスの販売量を2011年から2013年の年間平均レベルの60%まで削減し、2036年までに15%まで削減することに合意した。欧州議会は、より早く、2050年までにFガスの完全な段階的廃止を目指すことを望んでいる。セクターごとに目標が設定されるが、ほとんどのセクターは2025年までにFガスを全廃することが求められている。EUは、化石燃料からの脱却を図るため、今後10年間で数百万台のヒートポンプを導入する計画である。Fガスは、ヒートポンプや送電網の開閉器部品において、CO2や圧縮空気など、より効力の弱い代替ガスに置き換えることができる。
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