2月5日のロイター通信の報道によると、ドイツのロバート・ハーベック経済相は、来週ワシントンでジャネット・イエレン米財務長官や他の政府高官らと会談するのを前に、欧州と米国のグリーン投資協力を呼び掛けた。予定されている会談で、ハーベック経済相とフランスのブルーノ・ルメール財務相は、米国のグリーン補助金に関する新法、インフレ抑制法（IRA）に対する欧州の懸念から、米国高官らがグリーン投資を欧州から引き抜こうとするのを阻止するとみられる。それにもかかわらず、ハーベック経済相は、グリーン市場への投資やグリーン技術開発のコスト削減促進に向けた米国の努力を認めつつ、公正な競争の重要性を強調している。

ジョー・バイデン米大統領は2022年8月、4,300億ドルのIRAに署名した。この中には、今後10年間のエネルギー安全保障と気候変動対策への3,690億ドルの投資が含まれている。この法律は、電気自動車から太陽光パネルまで、炭素削減に関連する製品を補助金で支援する。これに対し、欧州委員会は、欧州の市場の魅力を高めるため、国家援助の制限を一時的に緩和することを提案した。さらに、2月1日には、欧州委員会は脱炭素化を加速し、加盟国間の「補助金競争」を防ぐため、グリーンディール産業計画を発表した。欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー副委員長によると、加盟国はIRAの一部が「欧州産業のグリーン移行における特定の主要セクターの競争力を脅かしている」ことを認めたが、EUと米国の関係は適切なものでなければならず、EUの対応は「事実に基づき、IRAによって引き起こされた特定の問題のみを対象とする」べきである。

https://www.reuters.com/business/sustainable-business/german-minister-habeck-calls-green-tech-cooperation-with-united-states-2023-02-05/

https://www.reuters.com/markets/europe/us-inflation-reduction-act-risk-europes-industrial-base-eus-vestager-says-2022-10-26/

https://www.reuters.com/markets/why-us-inflation-reduction-act-has-rattled-europe-2023-02-01/

https://www.argusmedia.com/en/news/2415333-eu-proposes-state-aid-changes-in-face-of-us-ira