ロイター通信が4月5日に報じたところによると、ドイツの連立3党のエネルギー政策担当議員は、同国の将来の水素ネットワークの資金調達メカニズムについて合意に達した。この合意では、水素燃料のための中核的なネットワークは9,700kmに及び、その総工費は約200億ユーロ、既存のガスパイプラインがネットワークの60%を占めることになる。このネットワークの完成期限は、事業者の財政負担を軽減する目的で、5年延長され2037年となる。さらに、このプロジェクトの財源は利用者負担で賄われるが、経済省は、ネットワーク建設費を長期にわたって分散させるための償却口座の設置を検討している。このアプローチは、建設費の全額を顧客に負担させるのではなく、顧客が手頃な価格の水素燃料にアクセスできるようにすることを意図している。

計画されているネットワークは、港湾、産業、貯蔵施設、発電所を結ぶもので、鉄鋼や化学など、供給が難しい分野へのゼロカーボン水素燃料の供給を促進する。ドイツの2023年国家水素戦略では、2030年までに水素需要が95～130テラワット時（TWh）に急増すると予測している。注目すべきは、2030年の水素需要予測のうち、70%以上が輸入で賄われることであり、アップグレードされたネットワークは、これらの目標を達成する上で重要な役割を果たす用意がある。完成すれば、このネットワークは、デンマーク、ノルウェー、スペインといったドイツの近隣諸国と接続し、ヨーロッパの水素グリッドの中核となる。

情報源

https://www.reuters.com/business/energy/german-coalition-agrees-financing-details-hydrogen-network-2024-04-05/

https://www.reuters.com/business/energy/germanys-core-network-hydrogen-fuel-cost-20-bln-euros-by-2032-fnb-gas-chairman-2023-11-14/

https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=2ed8fda2-db48-462a-8569-15dfbd482cea#:~:text=The%20German%20Government%20estimates%20around,by%20hydrogen%20imports%20from%20abroad.