ロイター通信が4月26日に報じたところによると、オーストラリア先住民のグループが、サントス・リミテッド[STO:AU]の2つのガス・プロジェクトに投資しているとして、オーストラリアの大手年金基金20社に対して提訴した。訴えを起こした伝統的土地所有者たちは、バロッサとナラブリのガスプロジェクトが彼らの文化、生活、環境を脅かすと主張している。あるファンドのメンバーは、サントスへの投資を正当化するため、オーストラリアの会社法に基づきファンドに情報を要求した。合計で170億豪ドルを超える資金を運用する5大年金基金は、コメントの要請に応じなかった。 

先住民の土地所有者によるこの動きは、ナラブリ・ガス・プロジェクトの許可に対するゴメロイ族の控訴に続くもので、国家先住民権法廷（National Native Title Tribunal）は、サントスが進めることを許可していた。サントスは12月、バロッサ・ガス・プロジェクトの掘削再開を求める訴えを連邦裁判所に却下されたが、その後、最大のプロジェクトに対して新たな認可を申請すると表明している。サントスのバロッサ・ガス・プロジェクトはティモール海の海上ガス開発計画であり、ナラブリ・ガス・プロジェクトはニューサウスウェールズ北西部の陸上ガス開発である。ゴメロイ族がナラブリ・ガス・プロジェクトに反対する現在進行中の訴えは、このプロジェクトが聖地や工芸品など彼らの文化遺産に重大な影響を与えることに基づいている。年金基金に対して人権侵害の訴えを起こしたオーストラリア先住民は、年金基金がサントスのガス・プロジェクトから手を引き、気候変動に関するパリ協定に沿った政策を採用するよう求めた。 

情報源 

https://www.reuters.com/world/asia-pacific/indigenous-australians-file-human-rights-complaint-with-pension-funds-over-2023-04-26/

https://www.abc.net.au/news/2023-01-18/native-title-appeal-complicates-santos-narrabri-gas-project/101863842