ロイター通信が11月29日に報じたところによると、世界最大の一般炭輸出国であるインドネシアは、32の石炭発電所を対象とした炭素取引メカニズムの試験において、課税対象となる炭素排出量約100万トンを記録した。この実験は、来年4月に予定されている同国初の炭素税政策に備え、石炭発電所の排出上限を決定することを目的としていた。正確には、インドネシアのエネルギー省は、32の石炭火力発電所に対して、メガワット時（MWh）あたり0.918トンから1.094トンの二酸化炭素（CO2）の排出制限を設定した。制限を超えたプロジェクトは、排出量が上限を下回るプロジェクトから炭素クレジットを購入するか、炭素税を支払うことができる。現在の計画では、炭素取引で相殺できなかった超過排出分は課税される。

世界第8位の温室効果ガス（GHG）排出国であるインドネシアは、炭素税や排出権取引などの対策を通じて、2060年までにカーボンニュートラルを達成することを目指している。同国は2022年4月1日から、排出枠を超える企業に対してCO2トン当たり2.10米ドルの税金を課す。この措置により、過剰なCO2排出量に1トン当たり3.72米ドルの価格をつけたシンガポールに次いで、東南アジアで2番目に炭素に価格をつける国となる。スリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相によれば、インドネシアの炭素価格は世界でも最も安い部類に入り、温室効果ガス削減目標を達成するまで、国内企業の国境を越えた炭素取引を防止することができる。参考までに、CO2に対する炭素税の税率は、中国では1トンあたり約8.4米ドル、EU市場では67米ドルである。インドネシア政府は、エネルギー転換と経済成長を両立させるため、排出枠を引き下げ、税率を段階的に引き上げていくだろうと、財政政策チーフのフェブリオ・カカリブは述べている。 

情報源

https://www.reuters.com/markets/commodities/indonesias-carbon-trade-trial-indicates-taxable-emissions-2021-11-29/

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-11-29/indonesia-sees-148-billion-funding-gap-to-curb-carbon-emissions

https://www.reuters.com/markets/commodities/indonesia-keep-carbon-trade-local-until-greenhouse-gas-target-met-2021-11-19/

https://asia.nikkei.com/Spotlight/Caixin/China-s-carbon-market-records-its-first-cross-border-deal