世界最大の火力発電用石炭輸出国であるインドネシアは、6月8日に提出された法案草案の中で、再生可能エネルギーの開発に補助金を出し、2045年までに国内初の原子力発電所を開設すると誓約したと、同日ストレーツ・タイムズが報じた。法案草案によると、インドネシアは再生可能エネルギーの国内需要を輸出需要より優先し、再生可能エネルギー電力の輸出に関税を課す。法案草案ではまた、再生可能エネルギーや新エネルギー源の開発に土地、インフラ、政府保証の面で財政的インセンティブと支援を提供することも提案されている。特に法案草案では、石炭ベースのエネルギー、原子力、水素発電を新エネルギーに分類し、石炭の段階的廃止に消極的であることを示している。

インドネシアは石炭への依存を緩和しようと苦心している。石炭はインドネシアのGDPの約5%、国内電力生産量の60%を占めている。そのため、法案草案では、再生可能エネルギーへの移行ペースと、2億7000万人の住民の手頃な電力需要のバランスを取る必要がある。しかし、クリーンエネルギーシンクタンクCERAHのエネルギー政策研究者マハウィラ・ディロン氏は、法案でいわゆる新エネルギーへの支援を行えば、同国のよりクリーンなエネルギーへの移行が遅れるだけだと主張した。インドネシアは以前、石炭火力発電所の炭素排出に対する課税を、当初の期限である4月1日から7月に延期した。2060年までにネットゼロ排出を達成するという国の公約を果たすため、インドネシア政府は、エネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合を、2025年までに12%未満から23%に倍増することを約束している。

情報源

https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/indonesia-eyes-subsidies-nuclear-power-in-renewable-energy-bill

https://www.reuters.com/article/indonesia-energy-idAFL1N2XV030

https://stateofglobalcoal.org/indonesia/

https://news.bloombergtax.com/daily-tax-report-international/indonesia-delays-carbon-tax-to-july-to-shield-purchasing-power