中国の大手サプライチェーン・サービス・プロバイダーであるJD.com [JD:US]は5月24日、気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）の勧告に初めて沿った2021年版ESG報告書を発表した、と同日JD Corporate Blogが報じた。2019年、JD.comはScience Based Targets initiative (SBTi)に参加し、中国の企業グループとして初めて科学的根拠に基づく気候目標を設定した。最新のESG報告書では、2030年までに二酸化炭素排出量を2019年比で半減させるという気候目標を再表明した。さらに、報告書には気候変動関連のリスクに関する章が設けられている。JD.comのリチャード・リュー取締役会長によると、同社は2030年に向けたリスク・ガバナンス戦略を策定し、気候変動競争力を構築することを意図して、今年の報告書にTCFDを取り入れたという。

気候変動への意欲に加え、JD.comの最新のESG報告書では、テクノロジー主導のコンプライアンス・システムの構築、グリーン・サプライチェーンのアップグレード、農村経済の支援、持続可能な消費行動とライフスタイルの開発における進捗が概説されている。同社は「グリーン・ストリーム・イニシアティブ」と呼ばれる5年間のグリーン・サプライチェーン・イニシアティブの目標達成のために10億人民元（1億5,000万米ドル）を投資した。JD.comによると、このイニシアチブにより、中国の電子商取引物流部門で100億個の廃棄パッケージの使用が削減され、サプライチェーンに沿って20万人以上の消費者と加盟店が動員された。環境への取り組みとは別に、JDは農家にビジネスチャンスを継続的に提供し、農業生産額で約3,200万人民元（480万米ドル）を生み出すことで、その社会的責任を強調した。

情報源

https://jdcorporateblog.com/jd-com-releases-2021-esg-report/

https://esgnews.com/jd-com-releases-2021-esg-report/

https://www.cqn.com.cn/cj/content/2022-05/24/content_8823146.htm

https://ir.jd.com/system/files-encrypted/nasdaq_kms/assets/2022/05/23/14-48-50/2021%20JD.com%20Environmental%20Social%20and%20Governance%20Report%20-20MB.pdf