日本のエレクトロニクス企業であるパナソニック[6752:JP]が、2021年3月末までにテスラ[TSLA:US]の全保有株式を約4,000億円(36億米ドル)で売却すると、6月25日付のロイター通信が同社の広報担当者の話を引用して報じた。パナソニックは、バッテリー事業の大半をテスラが占めているため、テスラへの依存度を下げる意図があると説明した。テスラ株を売却することで、パナソニックは開発や新規投資のための資金調達を目指した。また、パナソニックはテスラ社に株式売却について報告しており、売却が両社のパートナーシップに影響を与えることはないと述べた。
パナソニックは2009年にテスラのモデルSにバッテリーを供給し始めた。その後、提携関係を強化するため、パナソニックは2010年にテスラの株式140万株を1株当たり21.15米ドルで購入し、総額約24億円(3,000万米ドル)を投じた。2020年3月末時点で、この株式は800億円(7億3,000万米ドル)の価値がある。長い間、パナソニックはテスラの唯一のバッテリーサプライヤーであり、両社は2014年に米国ネバダ州にバッテリーを生産するギガファクトリー1を共同で建設した。
しかし、テスラとパナソニックの関係は最近悪化している。テスラのイーロン・マスクCEOは2019年4月、パナソニックのバッテリー供給がモデル3車の生産能力を制限していると主張したが、パナソニックは後にこれを否定した。さらに2019年、米電気自動車(EV)メーカーは上海ギガファクトリーのバッテリー供給について、LG Chem [051910:KS]およびコンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー(CATL)[300750:CH]と契約を結んだ。テスラはまた、上海工場の近くに独自のバッテリー工場を建設する予定だった。テスラがバッテリーのサプライチェーンを多様化しているため、パナソニックも他のパートナーを探し始め、2020年にトヨタ[TM:US]とバッテリーの合弁会社を設立した。また、パナソニックは新規事業への投資も行っており、今年初めには米国のサプライチェーンソフトウェアであるブルー・ヨンダーの株式を71億米ドルで買収すると発表している。
情報源
https://asia.nikkei.com/Business/Automobiles/Panasonic-unloads-entire-Tesla-stake
https://electrek.co/2021/06/25/tesla-battery-supplier-panasonic-sold-entire-tsla-stake/
https://cn.nikkei.com/industry/icar/45192-2021-06-28-10-16-38.html