シェル[SHEL:US]は、2月1日にBloombergが報じたように、気候擁護団体であるFollow Thisによるグリーンウォッシングの疑惑に直面している。同団体は米国証券取引委員会(SEC)に対し、シェルが温室効果ガス排出削減への取り組みについて投資家を欺いたとして提訴した。Follow Thisは、気候変動目標に関する同社の公式声明は実際の実践と矛盾しており、同社のビジネスにもたらす気候変動リスクを適切に開示していないと主張している。訴状では、排出量削減が進んでいないとしてシェルが批判されたいくつかの事例が挙げられており、その中にはTransition Pathway Initiativeが発表した2020年の報告書で、気候変動移行に関してシェルが同業他社の中でワースト1位とされた事例も含まれている。
今回の告発を受け、シェルは排出量削減へのコミットメントと低炭素ビジネスへの移行に向けた努力を強調している。同社は気候変動への対応の重要性を認め、この分野での取り組みに関する情報開示の正確性を確認している。ワシントン・ポスト紙によると、この裁判の結果は、他のエネルギー企業だけでなく、より広範な金融業界や投資家にも大きな影響を与える可能性があるという。米証券取引委員会(SEC)はまだ訴状に対する決定を下しておらず、最終的な結果がどうなるかはまだわからない。とはいえ、シェルに対する今回の疑惑は、世界が低炭素の未来へとシフトしていく中で、エネルギー部門における透明性と説明責任の重要性が高まっていることを浮き彫りにするものである。