シンガポールは7月12日、気候変動がシンガポールに及ぼす長期的影響を明らかにし、こうした問題に対処する政策の指針とするため、2,350万米ドル規模の気候研究プログラムを立ち上げたと、同日ストレーツ・タイムズが報じた。同プログラムは、海面上昇、水資源と洪水管理、生物多様性と食糧安全保障、人間の健康とエネルギー、科学と政策をつなぐ分野横断的研究の5つの主要優先事項に焦点を当てている。シンガポール国立環境庁（NEA）傘下のシンガポール気候研究センター（CCRS）が同プログラムを主導する。NEAは、政策は証拠と確実かつ客観的な科学的評価に基づいて策定されるべきだと強調した。同プログラムは、5つの分野における気候影響科学への理解を深めることを目的としているとNEAは付け加えた。

シンガポールは水、食料、エネルギーなどの基本資源の確保を国際貿易に依存しているため、気候変動による異常気象の影響を受けやすい。シンガポールの電力の95%以上は世界中から輸入した天然ガスを使用して発電されており、同国は現在、食料の約90%を輸入している。異常気象は同国の生物多様性と食料安全保障に影響を及ぼすだけでなく、都市部のヒートアイランド現象を激化させ、エネルギー需要の急増を引き起こす可能性がある。そのため、同国は研究プログラムを通じて気候リスクの低減を目指している。さらに、CCRSは、同地域における気候変動の影響を緩和するために、第3回国家気候変動研究（V3）の気候データと予測を東南アジア諸国と共有する予定である。

情報源

https://www.straitstimes.com/singapore/new-235m-programme-launched-to-uncover-long-term-climate-change-impact-on-spore

https://www.channelnewsasia.com/sustainability/climate-change-impact-singapore-research-programme-launch-2803421

https://www.straitstimes.com/singapore/environment/why-singapore-needs-to-import-electricity-and-other-energy-questions-answered