中国国務院は12月2日、国内の気象改変システムの開発を加速させる通達を発表した。今後5年間で、中国全土の56%に相当する5.5百万平方キロメートルを人工降雨・降雪システムで覆い、58万平方キロメートル以上の土地に雹抑制技術を導入するとしている。2025年までに、先進的で規制の整った気象改変システムを確立し、2035年までに気象改変技術とサービスで世界のリーダーになることを目指している。

気候変動に関する政府間パネル（IPCC）の2018年の報告書によると、世界の平均気温は産業革命前に比べて1.5度上昇し、極端な気候現象の頻度と強度が高まることは避けられない。中国危機管理部の統計を引用すると、洪水、台風、干ばつ、地震などを含む自然災害は、中国にとって直接的な経済損失が2019年だけで約3,271億人民元となり、2018年の2,645億人民元から増加したが、GDPに占める自然災害が原因の経済損失の割合は、過去5年間の平均的な割合から昨年は24%減少しており、潜在的には政府が課した効果的な気象制御対策によるものである。

一般的に言って、中国は年間平均400億立方メートルの水不足に悩まされており、工業や農業の生産レベルの低下により、年間約390億米ドルの経済損失を引き起こしていると推定されている。その一方で、洪水は国内の一部地域で依然として中心的な問題となっている。2020年1～9月、中国における洪水は過去5年間の平均を80%上回り、20%人により多くの影響を与え、農業、養殖業、商業活動の損失により、国の潜在的な経済的利益から2,000億人民元以上を消し去った。

配水問題に取り組み、気象条件をよりコントロールするため、中国はさまざまな気象改変プロジェクトを導入している。News18の計算によると、気象改変への投資総額は2012年から2017年の間に13.4億米ドルを超えている。政府は、災害救助、緊急対応、土壌・水質保全、土地の復旧などに気象改変技術を活用する計画だという。財務省（MoF）が以前に発表した計画によると、中国は2020年末までに年間600億立方メートル以上の人工雨を生産し、54万平方キロメートル以上の土地を雹抑制技術で保護しようとしている。

情報源

http://www.xinhuanet.com/politics/2020-12/02/c_1126813765.htm

http://www.gov.cn/zhengce/content/2020-12/02/content_5566429.htm

http://news.cnr.cn/dj/20200116/t20200116_524940749.shtml

https://asia.nikkei.com/Spotlight/Datawatch/Asia-at-risk-of-losing-annual-8.5tn-from-climate-change

https://www.news18.com/news/india/china-to-drastically-expand-weather-modification-program-to-cover-area-larger-than-india-3146438.html

http://factsanddetails.com/china/cat10/sub66/item390.html

http://cpc.people.com.cn/n/2015/0121/c83083-26422829.html