トルコ最大の鉄鋼メーカーであるエルデミールグループ[EREGL:TI]は、より環境に優しい生産と排出量削減を実現するため、32億ドルの投資計画を発表したとロイターが1月11日に報じた。計画では、トルコ南部と北部の施設に2基の新しい電気炉（EAF）を建設し、石炭消費を減らすためにバイオマスと天然ガスを発電に使用し、1,000メガワットの太陽光発電容量を開発し、二酸化炭素回収技術に投資するなど、一連の環境に優しい取り組みを通じて、2030年までに排出量を25%削減する。エルデミールによると、2基の新しいEAFにより、グループの粗鋼生産量は現在の年間950万トンから1,350万トンに増加する予定である。同社はまた、これらの環境に優しい取り組みにより、世界市場での同社の競争力が高まると述べた。

トルコは、2021年に欧州最大、世界第7位の鉄鋼供給国となり、鉄鋼の主な輸出先であるEUが導入する炭素国境税に備えて、鉄鋼業界の脱炭素化を目指している。2023年10月から発効するEUの炭素国境調整メカニズム（CBAM）に基づき、炭素集約型セクターの輸入業者は、EU企業が負担するのと同じ炭素価格設定コストを負担するため、2026年1月から炭素国境税が課される。従来の高炉製鋼と比較すると、EAFは、粗鋼および熱延鋼の製造段階で、スコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量を約75%削減できる可能性がある。さらに、トルコは、排出量削減とよりクリーンな技術への投資を促すことを目指して、2025年に独自の排出量取引制度（ETS）の最初のパイロットフェーズを開始する予定である。

情報源

https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/turkish-steelmaker-erdemir-invest-32-bln-by-2030-green-transition-2024-01-11/

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-01-11/turkey-s-top-steelmaker-begins-3-2-billion-green-transformation

https://www.businessfinland.fi/en/whats-new/events/2023/decarbonization-of-the-ironsteel-industry-in-turkieybusiness-opportunities

https://carbon-pulse.com/240914/