中国が支援する多国間開発銀行（MDB）であるアジアインフラ投資銀行（AIIB）は、現在の世界的なエネルギー危機の中で、化石燃料による発電所の新設を行わないよう各国政府に警告している。AIIBは、二酸化炭素の排出量を正味ゼロにする世界的な努力に沿うため、重汚染国有企業にグリーン転換を迅速に行うよう呼びかけた。昨年10月、AIIBは、2025年までに承認された融資全体の50%を気候変動資金とするとの約束に続き、2023年7月1日までにパリ協定の目的に沿った運営を行うとのコミットメントを発表した。しかし、その野心的なコミットメントにもかかわらず、AIIBは現在、化石燃料への投資額が再生可能エネルギーへの投資額の2倍に達している。  

Covid-19のパンデミックによってエネルギー需要が急速に落ち込み、エネルギー市場の需給バランスが崩れた。ロシアのウクライナ侵攻により、状況は世界的なエネルギー危機へとエスカレートした。世界有数の産油国であるロシアがウクライナに侵攻したことで、ヨーロッパへのエネルギー供給が脅かされ、世界中でエネルギー価格が高騰した。石油、ガス、電力市場の不足と価格上昇に直面した各国政府は、エネルギー供給を増やすために、汚染の激しい発電所の開設や再開を迫られるかもしれない。国際エネルギー機関（IEA）のファティ・ビロル事務局長は、政府は化石燃料を増やす代わりに、再生可能エネルギーへの転換に力を入れ、エネルギー需要を満たすよう提案している。 

情報源 

https://www.reuters.com/business/energy/china-backed-aiib-warns-governments-not-panic-build-fossil-fuel-power-stations-2022-10-27/

https://www.weforum.org/agenda/2022/05/first-global-energy-crisis-how-to-fix-davos-2022/

https://www.iea.org/news/world-energy-outlook-2022-shows-the-global-energy-crisis-can-be-a-historic-turning-point-towards-a-cleaner-and-more-secure-future

https://www.aiib.org/en/news-events/news/2021/AIIB-to-Fully-Align-with-Paris-Agreement-Goals-by-Mid-2023.html

https://www.re-course.org/wp-content/uploads/2021/10/Ten-AIIB-ESS-Essentials-1021-FINAL-v2.pdf