19日付のブルームバーグが報じたところによると、バイデン政権は、急増する液化天然ガス（LNG）輸出に伴う温室効果ガスの排出量と気候への影響について、さらなる精査を検討している。この問題に詳しい関係者によると、米エネルギー省（DOE）は、ガス輸出プロジェクトが国益に合致するかどうかを判断する際に、気候への影響を考慮すべきかどうかを検討するためのレビューを開始したという。DOEによる新たなガス輸出許可発行を遅らせる、あるいは凍結させる可能性のあるこの見直しに対し、主要ガス生産者とパイプライン事業者を代表する連合体であるPartnership to Address Global Emissions (PAGE)は、バイデン政権に対し、米国のLNG輸出許可を一時停止するいかなる動きに対しても警告を発している。同連合は、天然ガス輸出にブレーキをかけることは、世界的に環境負荷の高い石炭火力発電からの転換を阻害することになると主張している。

ロシアのウクライナ侵攻後、アメリカは同盟国がロシアからのガス供給への依存を減らすために、ヨーロッパへのLNG輸出を強化した。天然ガスは石炭よりもクリーンな燃料と考えられているが、天然ガスの採掘、生産、輸送によるメタン漏れは、温室効果をもたらす可能性がある。加えて、ガス・インフラへの多額の投資は、本来なら排出を伴わない代替燃料に使われるはずの資金を流用する可能性がある。政府のデータによると、米国内の7つのLNG輸出施設すべてからの二酸化炭素（CO2）排出総量は2022年に1760万トンに達し、2019年から81%急増した。さらに、建設中の5つのLNG輸出施設は2028年までに操業を開始する予定で、年間排出量はさらに2700万トン増加すると予想されている。

情報源

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-01-19/biden-urged-to-keep-lng-exports-flowing-to-help-displace-coal

https://www.politico.com/news/2024/01/09/bidens-aides-weigh-climate-test-for-natural-gas-exports-00134631

https://www.politico.com/news/2024/01/19/biden-europe-gas-exports-00136671

https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/how-shipping-more-us-natural-gas-europe-helped-fuel-c02-pollution-2023-11-08/