ジュネーブを拠点とする石油生産会社International Petroleum Corp [IPCO:CN]は、政府が追加の財政的インセンティブを提供すれば、カナダ・アルバータ州北部のオイルサンド・プロジェクトに炭素回収・貯留（CCS）手順を追加する可能性があると、19日付のReutersが報じた。同社は、カナダの大手石油生産会社とともに、炭素集約型のオイルサンド産業からの排出を削減するために重要であると考えられているこの高価な技術に対する公的資金を増やすよう、政策立案者に要請している。業界は、CCSプロジェクトが財政的に実行可能であるためには、政府の支援を増やす必要があると考えているが、オタワと石油資源の豊富なアルバータ州は、誰が資金を増やすべきかについて意見が分かれている。

アルバータ州の北方林の地下には、およそ1700億バレルのビチューメンが埋蔵されている。この地域に豊富に埋蔵されているオイルサンドは、カナダを世界第4位の石油埋蔵量にしている。しかし、オイルサンドから石油を抽出するプロセスは、石油掘削装置など他の方法に比べてはるかにコストがかかり、環境にも有害である。温室効果ガス（GHG）排出に対する懸念の高まりにより、カナダのオイルサンドへの世界的な資本支出は、2014年の267億米ドルのピークから2021年には62億米ドルに減少した。したがって、CCSプロジェクトは、オイルサンド産業をより環境に優しいものにし、海外からの投資を取り戻すための有効な選択肢となる。カナダ気候研究所のデータによると、カナダにおけるオイルサンド・プロジェクトからの排出量は、2021年には4,800万トンに達し、2005年のレベルから1,37%急増する。同研究所はまた、CCSプロジェクトの開発、石油・ガス排出量の上限設定、炭素排出を抑制するための連邦政府による厳しい気候法制を求めた。 

情報源

https://www.reuters.com/business/sustainable-business/ipc-ceo-urges-canada-offer-more-funding-build-carbon-capture-2023-03-19/

https://www.wsj.com/articles/oil-sands-canada-dirty-carbon-environment-11642085980

https://www.investopedia.com/terms/o/oilsand.asp