オーストラリアの金属鉱業およびグリーンエネルギー企業であるフォーテスキュー社 [FMG:AU] は、シンガポール港のフォーテスキュー・グリーン・パイオニア号で、世界で初めてアンモニアとディーゼルを船舶燃料として使用する試験を行った。この画期的な成果は、同船のアンモニア貯蔵システム、関連パイプライン、ガス燃料供給システム、改造エンジン、耐航性に関する7週間にわたる厳格なテストに続くものだ。フォーテスキュー・グリーン・パイオニア号は、ディーゼルと組み合わせてアンモニアを船舶燃料として使用することについて、シンガポール船籍および船級協会DNVから旗艦承認を取得した。シンガポールの海事港湾局（MPA）は、この試験について、アンモニアの船舶燃料としての実行可能性を評価し、関連基準と安全プロトコルを前進させる重要な一歩であると評価した。

伝統的に農業や工業で採用されてきたアンモニアは、二酸化炭素排出量の削減を目指す海運部門にとって、費用対効果が高く環境に優しい選択肢として浮上している。フォーテスキューは2022年、4基のエンジンのうち2基をアンモニアで稼働するように改造し、フォーテスキュー・グリーン・パイオニアの改造試験を開始した。さらに同社は、アンモニアの毒性が高いことを踏まえ、DNVや燃料サプライヤーのVopak[VPK:NA]を含むパートナーと協力し、緩和方法とモニタリングのプロセスについて取り組んできた。フォーテスキュー社のアンドリュー・フォレスト会長（Dr. Andrew Forrest AO）は、この燃料試験の成功は、アンモニアを燃料とするエンジンの安全な技術的ソリューションの実現可能性を証明するものだと述べた。また、世界の港湾に対し、グリーン・アンモニアに対する公正で安全かつ厳格な燃料基準を設けるよう呼びかけた。

情報源

https://www.reuters.com/sustainability/fortescue-conducts-worlds-first-ammonia-bunker-trial-singapore-2024-03-15/

https://www.mpa.gov.sg/media-centre/details/world-s-first-use-of-ammonia-as-a-marine-fuel-in-a-dual-fuelled-ammonia-powered-vessel-in-the-port-of-singapore

https://maritime-executive.com/article/first-bunkering-and-tests-of-ammonia-as-marine-fuel-completed-in-singapore