ロイター通信が10月24日に報じたところによると、イタリアの自動車メーカーであるステランティス社[STLA:US]と、フランスの原子力材料会社であるオラノ社は、使用済み電気自動車（EV）用バッテリーのリサイクルに特化したジョイントベンチャー（JV）を設立する覚書に調印した。この提携は、欧州と北米にあるステランティスのギガ工場から供給される使用済みEVバッテリーとスクラップをリサイクルすることを目的としている。オラノの高度な前処理技術と湿式冶金技術を活用することで、合弁会社はリチウムイオン電池（LIB）からすべての材料を回収し、90%を超える金属回収率を実現する。特に、このパートナーシップは、コバルト、ニッケル、リチウムといった重要な材料へのさらなるアクセスを確保することで、EVバッテリーのバリューチェーンにおけるステランティスの地位を強化することを目的としている。

この動きは、昨年12月にEUの議員によって制定された新たな規制を受けて、循環型金属産業に対して行われた大規模な投資と一致している。これらの規制は、産業用、スターター用、ライト用、イグニッション用、電気自動車用バッテリーなど、さまざまなタイプのバッテリーにおいて、リサイクル材料の最低レベルを義務付けている。このパートナーシップの締結により、ステランティスは欧州委員会の定める厳格なリサイクル基準を確実に遵守し、環境に配慮したビジネスモデルを維持することができる。ステランティスの環境持続可能性へのコミットメントは、同社の戦略計画「Dare Forward 2030」に概説されており、2030年までにリサイクル収入を増加させ、循環型経済の総収入20億ユーロを達成することを目指している。この取り組みは、2038年までにカーボンニュートラルになるというステランティスの目標に向けた重要な一歩である。

情報源

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/stellantis-enter-jv-with-orano-recycle-electric-car-batteries-2023-10-24/

https://www.recyclingtoday.com/news/stellantis-orano-plan-partnership-to-recycle-electric-vehicle-batteries/

https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20221205IPR60614/batteries-deal-on-new-eu-rules-for-design-production-and-waste-treatment