中国最高人民法院はこのほど、知的財産権（IP）侵害に関する民事裁判における懲罰的損害賠償の適用に関する解釈（「解釈」）を発表し、判決に明確な基準を設けることを目指したと、6日付のCaixinが報じた。同解釈は7つの規定からなり、3月3日より施行されている。

要するに、本解釈は、過去の関連法令及び司法実務をまとめたものである。中国の裁判所における知的財産権の司法保護状況（2019年版）によると、各地方人民法院が新たに受理した知的財産権侵害の第一審事件は5,242件で、前年同期比21.37%増加した。そのうち、登録商標権侵害の刑事事件は4,982件で、前年比21.01%増加し、著作権侵害の刑事事件は210件で、前年比34.62%増加した。このような侵害事件に対する処罰を強化することが必要である。

懲罰的損害賠償とは、違法行為のコストを増加させるために、義務者の実際の損害を上回る過大な賠償を意味する。懲罰的損害賠償の導入は、中国における知的財産の保護を強化するための大きな動きである。2013年の改正商標法は、懲罰的損害賠償制度の確立に先鞭をつけた。その後、2019年に改正された反不正競争法、2020年に改正された特許法、著作権法では、いずれも懲罰的損害賠償の規定が追加された。例えば、商標権や著作権、関連する権利を故意に侵害した場合、事案が深刻であれば、支払われる賠償金は定額の1倍以上5倍未満となる。注目すべきは、改正著作権法では、著作権保護を強化し、海賊行為を抑止するために、スポーツイベントのライブ放送や短編動画も保護範囲に含まれたことである。

情報源

https://china.caixin.com/2021-03-06/101671686.html

https://china.caixin.com/2020-04-29/101548452.html?sourceEntityId=101671686

http://www.xinhuanet.com/2020-04/21/c_1125887239.htm