ロイター通信が9日付で報じたところによると、米国環境保護庁（EPA）は、化学工場から排出されるガンの原因となる有害大気汚染物質を対象とした新規則を最終決定した。この新規則は数十種類の化学物質に影響し、有害有機汚染物質の国家排出基準を30年ぶりに改定するものである。この新規制は、湾岸に集中する200以上の化学工場から排出される2つの主要汚染物質、エチレンオキシドとクロロプレンに焦点を当てている。EPAは、これらの化学物質の汚染源を特定し、汚染物質の年間大気濃度が設定基準を超える場合は是正を実施するよう、産業界に命令する。さらに、工場は周辺地域近くにフェンスライン監視システムを設置し、データを公に報告することが義務づけられる。EPAは、この改正規則により、これらの施設からの汚染物質の排出が80%減少すると見積もっている。

規制の見直しは、バイデン政権が優先する2つの重要な政策に対処するもので、汚染によって過重な負担を強いられている脆弱な地域社会の保護と、ガン撲滅への取り組みの強化である。これらの石油化学工場の近くに住む住民は、エチレンオキシドやクロロプレンへの累積的な暴露が原因と思われる高率のがんを発症している。これらの化学物質への最小限の暴露でさえ、人間のDNAを損傷し、突然変異を引き起こす可能性がある。新規則の下では、酸化エチレン製造業者は2年間、最新の排出基準に適合するよう、排出を回避するための設備をアップグレードすることができる。

情報源

https://www.reuters.com/business/environment/us-epa-sets-final-rule-cutting-chemical-plant-pollution-2024-04-09/

https://www.npr.org/2024/04/09/1243778467/for-communities-near-chemical-plants-epas-new-air-pollution-rule-spells-relief