2月18日付の日経アジアが報じたところによると、日本は人工光合成によってクリーンな水素を発生させる大規模な実地試験の準備を進めている。具体的には、太陽光を利用して水分子を水素と酸素に分解できる光触媒シートを開発し、それを水を張ったパネルに貼り付けて水素を製造するというものだ。東京大学、トヨタ自動車[7203:JP]、三菱化学[4188:JP]、その他の研究機関は、2040年までにこの技術を商業化することを目標に、政府出資のプロジェクトに協力する。日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は、この計画に約2億6,000万米ドルの財政支援を行う。

このプロジェクトは、人工光合成の効率的な触媒と手頃なコストの開発に期待している。このプロジェクトでは、水素の変換効率を10%まで高めることを目指している。一方、人工光合成による水素の製造コストは、2030年までに1kgあたり240円（2.09米ドル）まで下がり、2050年までにさらに170円（1.48米ドル）まで下がると研究者らは予測している。NEDOによれば、人工光合成技術が広く採用されれば、2050年に日本の二酸化炭素排出量を1,300万トン削減できるという。昨年11月のCOP26サミットで、日本は2030年の二酸化炭素排出量を2013年比で46%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを約束した。

情報源

https://asia.nikkei.com/Spotlight/Environment/Climate-Change/Japan-to-kick-start-artificial-photosynthesis-R-D

https://www.japantimes.co.jp/2021/11/01/special-supplements/uniting-paths-carbon-neutrality/