日経アジアが2月18日に報じたところによると、タイは電気自動車（EV）へのシフトを促進するための一連の税制優遇措置を閣議決定した。優遇措置には、関税を20%から40%に引き下げ、輸入EVの物品税を8%から2%に引き下げることが含まれる。また、タイ国内の自動車メーカーには、電気自動車1台につき7万～15万バーツ（2150～4625米ドル）、電動バイク1台につき1万8000バーツ（555米ドル）の補助金が支給される。この制度の恩恵を受ける自動車メーカーは、2024年までにEVの製造を開始する必要がある。これらの優遇措置により、2030年までに新車登録台数の50%をEVにするというタイの目標に沿って、実施初年度に7,000台のEVが増加する見込みだ。

東南アジア最大の自動車生産拠点であるタイの自動車生産台数は、パンデミックの影響を受け、2020年には前年比29.1%減の143万台となった。タイは、このインセンティブ・パッケージの導入により、自動車産業を活性化し、EVの地域ハブになることを期待している。タイ当局は昨年3月、2030年までに全自動車生産台数に占めるEVの割合を30%とする当初の目標を50%に引き上げ、2035年までに100%の普及を目指している。電動化シフトは、主にガソリン車やハイブリッド車を生産する日本の自動車メーカーが現在独占しているタイの自動車市場を再編成する可能性がある。メルセデス・ベンツ[DAI:GR]は今年、タイでEVを生産する最初の大手自動車メーカーとなり、日本の三菱自動車[7211:JP]と中国の上海汽車[600104:CH]がこれに続く。

情報源

https://asia.nikkei.com/Business/Automobiles/Thailand-offers-tax-breaks-and-subsidies-to-rev-up-EV-shift

https://www.reuters.com/technology/thailand-approves-tax-breaks-evs-high-potential-foreigners-2022-02-22/

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-04-22/thailand-lays-out-bold-ev-plan-wants-all-electric-cars-by-2035

https://www.statista.com/statistics/1026953/thailand-annual-vehicle-production/

https://www.bangkokpost.com/auto/news/2203663/honing-in-on-the-ev-industry-goal