米国の格安航空会社であるジェットブルー[JBLU:US]は、2035年までに座席あたりの排出量を2019年のレベルから半減させるべく、国内線におけるカーボンオフセット・プログラムを終了し、代わりに持続可能な航空燃料（SAF）に切り替えることを決定したと、12月10日付の『The Verge』が報じた。2020年、同社はアメリカの航空会社として初めて、国内線からの温室効果ガス排出量を自主的にオフセットした。また、2020年からはすでにサンフランシスコ-ロサンゼルス間のフライトでSAFを使用している。同航空は、より多くのSAFの調達契約を複数の企業と締結している。12月2日には、フィデリス・ニュー・エナジー社[FDEI:US]と、少なくとも9,200万ガロンの混合SAFを購入する契約を締結し、2025年から5年間で納入する予定である。

カーボンオフセットは、航空燃料の燃焼による汚染を、再生可能エネルギーや林業プロジェクトへの投資によって、他の場所での排出を削減することで相殺することを目的としている。しかし、調査・研究の結果、市場に出回っているほとんどのカーボン・オフセット・プログラムは、実際には現実の汚染を除去していないことが判明している。それに比べ、SAFは化石燃料に相当するものと比較して、ライフサイクル全体で平均して少なくとも80%の二酸化炭素排出量を削減することができる。欧州連合（EU）は航空会社に対し、2025年に2%、2030年に5%、2050年に63%を目標に、EUの大規模空港を出発するすべての便でSAFの導入を拡大するよう求めている。ジェットブルーは、2030年までに同社の総燃料に占めるSAFの割合を10%とする目標を掲げている。 

情報源

https://www.theverge.com/2022/12/9/23501665/jetblue-carbon-offsets-sustainable-aviation-fuel

https://blueir.investproductions.com/investor-relations/press-releases/2022/12-02-2022-160013359

https://blueir.investproductions.com/investor-relations/press-releases/2022/12-06-2022-160030392

https://www.easa.europa.eu/en/light/topics/fit-55-and-refueleu-aviation